今の会社を辞めたいけど、年齢的に転職できるのかな?
求人における年齢制限はなくなった聞いたけど本当?
転職は、若いほうが有利と聞きますよね。
それは、障害者雇用でも同じなのでしょうか。
40代以上の中高年でこれから転職したいと考えている人にとって転職は難しいのか、知りたいですよね。
この記事では、障害者雇用でも求人に年齢制限があるのか、40代以上の中高年でも転職するのは難しいのかについて解説していきます。
本記事は、実兄に知的障害を持つアラサー会社員aamiが執筆しました。
大手メーカーにて障害者雇用の採用・教育に5年従事し、延べ100名以上の障害者の採用に携わった経験があります。
この経験から、障害者の採用や転職など、障害者雇用にまつわることを企業目線・プロ目線から役立つ情報を提供できればと思っています。
結論をいうと、求人に年齢制限はありませんが、実際には年齢制限があります。
ただし、企業はなるべく職務経験がある若手を取りたいと考えていますが、求職者の年齢層が40代以上が大半を占めているため、40代50代の方も採用します。
40代以上になると、転職活動が一気に難易度が増すと言われますが、障害者雇用の場合はそんなことなく、40代以上でもチャンスはたくさんあります。
【40代50代でも問題なし】障害者雇用の求人に年齢制限はない
厚生労働省による雇用対策法によると、募集・採用の場では年齢制限を原則として禁止するとなっています。
雇用対策法が改正され、平成19年10月から、事業主は労働者の募集及び採用について、年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならないこととされ、年齢制限の禁止が義務化されました。
引用:厚生労働省
そのため、例えば「25歳以下を募集」など年齢に制限をかけた募集や求人はありません。
昔は、年齢が表記されていたのに、禁止になっていたなんて知りませんでした・・・。
ただ現実は、年齢制限がある【40代50代の転職は難しい…?】
しかし、現実世界では、また別の話で、「年齢によって雇用されにくい」というのが現実です。
即戦力として経験のあるミドル層の人材が必要とされる場合はありますが、
同じ職務能力があるなら圧倒的に若手を企業は欲しがります。
戦力化させるためにどうせ教育するなら、吸収が早く柔軟性もある若手が選ばれやすいです。
障害者職業総合センターによるアンケートによると障害のある中高年齢求職者の就職が若い年齢層より困難になっていることわかります。
しかし、アンケート内容をよくよく見てみると、
求職者50名のうち、40代11名、50代21名、60代2名、計34名、40代以上の中高年求職者が採用されている実績がありました。
これは中高年求職者のうち、約70%の人が採用されてていることになります。
年齢を重ねてしまうと、転職・就職は難しいと思っていたけど、実はそんなことないのかな?
障害者雇用に限っていうと、40代以上の求職者でも、採用実績は、高いです。
【年齢制限はないけど…】障害者雇用での求職者の年代は?40代50代以上の求職者は全体の50%以上
障害者雇用の求職者の各年代別の割合は、以下の通りでした。
年代 | 割合 |
10代 | 1.5% |
20代 | 21.0% |
30代 | 22.4% |
40代 | 25.7% |
50代 | 16.5% |
60代 | 12.5% |
意外なことに年代別就職件数では、40代がトップで、30代、20代というように続いています。
40代以上の中高年で就職できた人の割合が半数以上という結果から、年齢を重ねても就労できるということが証明されています。
40代以上の転職・就職なら、一般雇用よりも障害者雇用のほうが採用されやすそうですね。
40代50代の就職・転職は難しい?【現実は年齢制限がある?】結論、採用実績は多数!
なぜ中高年の障害者の就労件数が多いのか、
その理由は、2021年3月から障害者の法定雇用率が2.2%から2.3%に引き上げられたからです。
これにより、企業はそれまでよりも多くの障害者を受け入れる義務が生じています。
この法定雇用率の引き上げを受けて新たに障害者を雇う企業が増えているのが、現実です。
企業が障害者を受け入れる場合、20代~30代の人材が欲しいと思っても、なかなか応募が来ないのです。
なぜなら、職を探す障害者の多数を占めるのが40~50代の年齢層だからです。
すなわち、法定雇用率を満たすために多数派の40~50代を雇用するしかない状況なのです。
40代50代で転職活動を効率的に進める方法
法定雇用率の引き上げによって雇用市場は売り市場です。
しかし、自分にあった職場を見つけられている障害者は少なく、離職率が高いのが現実です。
入社後1年以内にやめる障害者雇用は、約40%と高い水準を維持しています。
離職率が高い原因は様々で、症状や体調が悪化してしまった、人間関係に悩んでしまった、仕事が上手くいかず自己嫌悪になってしまったなど様々です。
採用して入社できた会社で長く働くためには、自分に合った会社や職場を見つけることが1番大事です。
でも、どうやって自分に合う会社を選んだら良いのかわからないですよね・・・。
ここからは、自分に合う会社を探す方法を解説していきます。
ハローワークは利用しないほうがいい
仕事を探す際、利用してしまいがちなのがハローワークですが、
ハローワークの利用は正直おすすめしません。
なぜなら、求人票にある条件が実情と違うことが多いからです。
ハローワークは求人を紹介するサービスですが、求人票にある条件の内容についてきちんと調べられているわけではありません。
そのため、実情は障害に対する配慮や理解のない職場であることが少なくないのです。
ハローワークの求人は、いくらでも嘘が付けるってわけね・・・。
40代50代の転職なら、転職エージェントの利用がおすすめ
転職エージェントは、雇用したい企業と雇用されたい個人の間に、第三者的立場で取り持ってくれるため、
障害者雇用に対する企業の理解を深めたり、採用されるための教育をしてくれるなど、さまざまなサービスをしてくれます。
もちろん、求人票の内容が実情と合っているか、誤りはないかなどチェックもしてくれます。
個人で転職活動を進めようとしても、会社の内情や仕事内容、障害者雇用実績など、自分に合う会社かどうかを判断できる情報は限られており、そういった情報を得ることが難しいです。
障害者雇用に特化した転職エージェントなら、あなたに合った求人を紹介してくれるだけでなく、会社の内情や障害者雇用実績など、様々な情報を持っており、教えてくれます。
それだけでなく、書類の書き方や面接対策などあなたの転職を全面的にサポートしてくれます。
障害者雇用に特化した転職エージェントは、あなたと企業の間に入ってやり取りしてくれるので、あなたを企業側にアピールしてくれたり、書類の書き方や面接対策もやってくれます。
転職に関することだけでなく、キャリア相談にも乗ってくれたりと、あなたに必要な助言や、手厚いサポートをしてくれます。
40代50代におすすめ障害者向け転職エージェント
転職を成功させるためには、転職エージェント選びも重要です。
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【年代別】転職を成功させるポイント
これまで40~50代でも採用される可能性は高いことを解説してきましたが、実際に転職活動をしてみて、「なかなか上手くいかない」「選考が通過できない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
実は、転職を行う年齢別でアピールするポイントだったり、企業が期待していることなどは異なります。
ここでは、年代別に転職を成功させるためのポイントを紹介していきます。
20代で転職成功のポイント
20代での転職は、成功率は高いです。
なぜなら、企業は同じ職務経歴の人なら順応性が高い若い人を欲しがるからです。
ただし、きちんとポイントを押さえておかないと、20代でも不採用通知が平気で届きます。
20代の人が企業から期待されていることは下記の通りです。
- 1熱意
新しい組織のなかで、自ら率先して会社に貢献する意思がある
- 2成長性
新しいことへの適応力があり、短期間で戦力に育つ見込みがある
- 3誠実さ
謙虚に学ぶ姿勢がある
- 4ビジネスマナー
新卒と異なり、社会人としてのルールを心得ている
第二新卒や20代前半の場合は、就職活動と同様に「ポテンシャル」と「スタンス」が重視されます。
社会人経験が増えるに従い、ポテンシャルとスタンスに加えて「ポータブルスキル」や「リーダーシップ」をチェックされるようになります。
30代で転職成功のポイント
社会人になって10年以上になってくる30代の転職は、ポテンシャル採用というよりも、実績や経験が重視されるようになります。
20代で十分な実績や経験を積めていないと転職活動では少し不利になってくる年齢です。
とはいえ、障害者雇用の場合、専門職以外は、実績や経験はそこまで重視されません。
なぜなら、難しい職種ではない上、実績や経験よりも、「安定して働ける」かどうかを重視しているからです。
そんな30代の人が企業から期待されていることは下記の通りです。
- 1職歴
どんな職務経験があるのか、会社に貢献できる職歴・スキルを持っている
- 2協調性
周りの人と上手くやっていける、チームで物事を進められる
- 3コミュニケーション能力
上長への報連相がきちんとできる
- 4自主性
自ら必要な仕事やタスクを見つけることができる
一般雇用の場合、30代になるとマネジメント経験や専門性を重視されるようになりますが、
障害者雇用の場合は、職歴や協調性など、業務を問題なく遂行できるか、周りの人と上手くコミュニケーションを取りながら仕事を進めることができるかが重視されます。
30代くらいから職歴や経歴を重視されるようになります。
40代で転職成功のポイント
40代になると、転職活動は20代30代に比べ少し難易度が高くなっていきますが、
その分、職歴や経歴が充実してくる時なので、過去に経験した職種の求人に応募する場合は、採用される可能性は大いにあります。
また、前職でどれくらい仕事が続いたのか勤続年数も重視されるようになります。
そんな40代の人が企業から期待されていることは下記の通りです。
- 1職歴・経歴
どんな職務経験があるのか、会社に貢献できる職歴・スキルを持っている
- 2コミュニケーション能力
周りの人と上手くやっていける、チームで物事を進められる、報連相がきちんとできる
- 3自主性
自ら必要な仕事やタスクを見つけることができる
- 4安定性
体調が安定しており、職を転々としておらず、継続的に勤務ができる
上記には記載していませんが、「マネジメント経験」があると、より採用されやすくなります。
また、職務経歴や保有資格から、その人のスキルも確認されます。
経験ある職種だと採用されやすいため、未経験の職種に挑戦するのではなく、経験ある職種を重点に転職活動を進めるのがオススメです。
50代で転職成功のポイント
50代になると、転職は難しいというイメージが強いですが、実際には、50代でも採用されているため、そこまで悲観的になる必要はありません。
ただし、40代と同様に職務経歴が重視されますし、企業も年齢が年齢ということで採用が慎重になります。
そんな50代の人が企業から期待されていることは下記の通りです。
- 1職歴・経歴
どんな職務経験があるのか、会社に貢献できる職歴・スキルを持っている
- 2コミュニケーション能力
周りの人と上手くやっていける、チームで物事を進められる、報連相がきちんとできる
- 3テクニカルスキル
業界や職種の専門知識・スキル
- 4柔軟性
環境の変化や日々の仕事を柔軟に対応できる
50代になると、新しいことを覚えたり、業務を柔軟に対応することが難しくなります。
そのため、これまで経験した職種でないと転職するのは難しいです。
また、業界や職種の専門知識やスキルも大事です。
基本的に、未経験職種に転職することは諦め、これまでの職歴に合った職種の求人でないと、難しいのが現実です。
【まとめ】障害者雇用の求人は年齢制限があるってホント?40代50代でも転職は可能!
障害者雇用の求人は、年齢制限はありません。
しかし、実際は、年齢制限があったり、中高年求職者よりも20~30代の若手が欲しいと考えている企業も多いです。
障害者雇用の法定雇用率が引き上げられたため、今は売り手市場で、中高年求職者でも採用されやすいです。
実際に、障害者職業総合センターによるアンケートでは、約70%の人が40代以上の中高年で採用されていました。
そのため、中高年求職者でも安心して就労できます。
就職活動・転職活動をする際は、会社選びが重要になるので、障害者雇用に特化した転職エージェントに登録し、
あなたに合う求人を紹介してもらったり、転職活動をサポートしてもらいましょう。