障害者の就職は有利って聞くけど、具体的にどんなことが有利なの?
有利に最速で就職する方法が知りたい!
ネットで障害者雇用について調べていると、「受かりやすい」「採用されやすい」「就職に有利」といった書き込みを目にすることが多いです。
しかし、実際、なぜ障害者の就職は有利と言われているのかを理解していない人も多いので、
この記事では、障害者の就職が有利と言われる理由や、有利に就職する方法、注意すること、反対に障害者の就職で不利なことを詳しく解説していきます。
本記事は、実兄に知的障害を持つアラサー会社員aamiが執筆しました。
大手メーカーにて障害者雇用の採用・教育に5年従事し、延べ100名以上の障害者の採用に携わった経験があります。
この経験から、障害者の採用や転職など、障害者雇用にまつわることを企業目線・プロ目線から役立つ情報を提供できればと思っています。
障害者の就職が「有利」と言われる理由
障害者の就職が「有利」と言われる理由は、下記の3つです。
それぞれ詳しく解説していきます。
一般枠とは別に障害者枠で就職できるから
障害者雇用促進法によって、「全従業員のうち2.3%は障害者を雇わなければならない」と法律で決められています。
一般枠の場合、採用人数や雇う人数は会社が自由に決めることが可能なので、業績が悪ければ採用を絞ることができます。
しかし、障害者雇用枠の場合、全従業員数に応じて一定数の障害者を雇わなければいけないため、ある程度雇用枠が確保されている状態にあることから、障害者の就職は有利と言われています。
従業員数が5万人の会社であれば、1,150人障害者を雇う必要がありますが、
障害者の中でも「心身が健康でバリバリ働ける人」という条件で採用しようとしても、なかなか必要人数を満たせないため、
職能面でも少し大目に見て採用されることになることから、「障害者は就職に有利で受かりやすい」と言われているのが、実態です。
大手企業に就職しやすいから
続いて、2つ目の理由が「大手企業に就職しやすいから」です。
先ほど簡単に説明したように、大手企業は従業員数が多いため、必然的に障害者も伴って多く採用する必要があります。
障害者の採用枠が多いため、大手企業に就職しやすいのもありますが、
障害者雇用の場合は、離職率が高いため、採用枠が空きやすいというのも特徴の1つです。
「採用枠が空きやすい」=「就職できるチャンスがある」
ということになります。
一般枠では人気企業で就職できない企業でも、障害者雇用枠であれば就職できた!という事例はたくさんあります。
倍率が低く、ライバルが少ないから
3つ目の理由は、「倍率が低く、ライバルが少ない」からです。
障害者雇用で働ける方は、症状や障害の程度が軽度や中度で、自助努力でなんとか働けるという状態の方が多いです。
実際、障害者の人口は、約936万人、日本人の全人口の8%と言われていますが、
厚生労働省の調査によるとその中で障害者雇用で働いている人は、約59万人です。
障害者雇用で働ける人は、障害者の中でも一部であることがわかりますね。
そのため、一般雇用枠に比べたら倍率は低く、ライバルが少ないです。
これまで障害者の採用に携わってきた経験から、応募書類の添削や、面接対策を行い、きちんと準備してこられている方はかなり限られていますし、そういった方が採用されていますよ。
就職先の選択肢が多いから
最後は、「就職先の選択肢が多い」のも有利と言われる理由の1つです。
障害者の就労をサポートするサービスも多いですが、障害者の就職先の選択肢も多いです。
具体的な障害者の就職先は下記の通りです。
自分の障害特性や障害の程度により、ベストな就職先は異なりますが、ざっと5つの選択肢があります。
一般枠の場合は、一般企業や公務員しか就職先はありませんが、障害者の就労のための福祉サービスもあるので、選択肢が多くなります。
障害者で働きたいと考えている方は、障害者の就職先をきちんと押さえておきたいですね!
障害者の就職活動を有利に進める方法【ライバルを出し抜こう】
これまで障害者の就職が有利な理由を解説してきましたが、
実際、障害者の就職事情についてインターネットを調べていると、「なかなか就職先が決まらない」「受からない」「採用されない」など就職活動に苦戦している方も多く見受けられます。
障害者は就職に有利と言われるけど、やっぱり実際難しいんじゃないの…と不安になりますよね。
障害者雇用の場合、採用枠はある程度決まっていますし、倍率は低いとはいえ、同じ枠を狙っているライバルも存在します。
ここでは、障害者の就職活動を有利に進められたり、ライバルを出し抜く方法を紹介していきます。
それぞれ詳しく解説していきます。
就職エージェントを利用する
まず絶対にやってほしいのが、「就職エージェントの利用」です。
就職エージェントを利用せず、就職活動を進めるのは、おすすめしません。
もちろん就職エージェントを利用しなくても、就職することはできますが、就職エージェントを利用するメリットは下記の通りです。
以上、就職エージェントを利用するメリットですが、総じて言うと、
「プロに待遇やお給料など条件が良い企業に就職するためにサポートしてもらえる」
です。
就職エージェントを利用し、プロのサポートを受けること、ライバルを出し抜くことができますよ。
おすすめの就職エージェントや、具体的な活動の進め方などは、こちらの記事を参照してください。
>>【障害者雇用】就職・転職活動のやり方・始め方を徹底解説!
障害に対する自己理解を深める
2つ目は、「障害に対する自己理解を深める」ことです。
企業が1番気にするのが、「あなたの障害について」です。
具体的には、「どんな配慮が必要なのか」「どんな障害なのか」「どういったことが苦手なのか」「どういったサポートが必要なのか」です。
これらを理解し、企業として対応できるのか、というのをすごく気にします。
障害に対する自己理解ができていない方は多く、面接中に矛盾が生じたり、採用担当があなたの障害をきちんと理解することができず、不採用になる方が多いです。
障害者雇用の場合、どの企業でも障害については確実に聞かれるので、きちんと障害に対する自己理解を深めておきましょう。
障害についての自己理解を深めるなら、「私の障害について(障害に関する自己紹介シート)」を作ってみるのがオススメです。
>>【障害者雇用】「私の障害について(障害に関する自己紹介シート)」の書き方!上手に書くコツと上手な伝え方
応募書類や面接の対策をしっかり行う
ライバルを出し抜くためには、応募書類や面接対策をしっかり行うことが重要です。
逆に、これだけやっておけば、簡単にライバルを出し抜くことができます。
具体的には、応募書類を作成し添削してもらったり、面接で質問されやすいことに対する回答を用意しておくなどです。
応募書類も面接も、対策することや準備するものは基本的にどの企業も同じなので、一度準備や対策をしてしまえば、他の企業にも使えるものばかりです。
特に、書類選考を通過できれば8割受かると言われているので、応募書類はクオリティを上げておいて損はありません。
応募書類の重要性や応募書類で8割決まる理由については、こちらの記事を参照してください。
>>【障害者雇用の裏事情】書類選考を通過できれば8割採用される現実!
障害者枠で有利に最速で就職する方法
ここまで、障害者の就職活動を有利に進める方法を解説しましたが、
ここからは、効率的に就職活動を進める方法についても解説していきます。
効率的に最速で就職活動を行う方法は、下記の6ステップに沿って、就職活動を行うことです。
- STEP1希望条件を整理する
希望の勤務地、職種、希望年収などを整理する
- STEP2就職エージェントに登録し、面談を行う
就職エージェントは、複数利用がオススメ!面談を受け、自分に合う担当を見つけよう!
- STEP3求人を自分で探したり、紹介を受ける
就職エージェントから求人の紹介もあるが、自分でハローワークなどで探すことも大事。出会えた求人の数が多いほど、条件が良くあなたにマッチする求人が多くなる。
- STEP4気になる求人に応募する
やみくもに応募するのはNG。応募する前に、必ず就職エージェントなどに添削をしてもらおう!
- STEP5就職エージェントのサポートを受ける
書類選考を通過できたら、面接対策をお願いしよう!書類選考で落ちた場合は、応募書類の見直しや落ちた原因を振り返ろう!
- STEP6応募企業の選考を受ける
企業によっては、面接を2~3回行ったり、SPIなどの試験もあるので、案内に従って選考を受けていこう!
- STEP7条件交渉・内定
内定前に、希望年収や配慮事項、入社日などの条件交渉が行われ、お互い承諾したら内定となります。
STEP1:希望条件をざっくり整理する
就職活動を開始するなら、まずは希望条件を整理しましょう。
具体的には、下記の内容を事前に考えておけばOKです。
仕事内容に関する条件 | ・職種 ・業種 ・スキルや資格を活かせる ・やりたい仕事か ・興味が湧きそうな仕事か |
収入に関する条件 | ・年収 ・賞与額や回数 ・給与制度 |
働き方に関する条件 | ・勤務地 ・テレワークの有無 ・ノルマの有無 ・平均残業時間 ・有休取得率 |
職場環境に関する条件 | ・職場の雰囲気 ・定着率 ・正社員登用有無 ・社風 ・男女比 |
就職先に求める条件を全て網羅している求人はほぼありません。
そのため、「ここだけは譲れない最低条件」だけを決めておきましょう。
条件が厳しくなればなるほど、求人は少なくなるので、まずはざっくりこんな条件がいいかな~程度で全然問題ありません。
STEP2:就職エージェントに登録し、面談を行う
ざっくり就職先に求める条件が決まったら、就職エージェントに登録しましょう。
おすすめの就職エージェントは下記の5つです。
おすすめ転職エージェント | サイト | 対応エリア | メリット |
ランスタッド | 公式サイト | 全国 | ・大手企業・優良企業の求人数No1 ・世界最大級の総合人材サービス企業! ・年収300万円以上の求人が多数! ・40代、50代の転職実績が豊富 |
LITALICO仕事ナビ | 公式サイト | 全国 | ・47都道府県、2,2760件の就職支援サービス情報が掲載 ・専属キャリアアドバイザーがマンツーマンでサポート ・就労に不安がある人におすすめ ・求人検索が簡単でわかりやすい |
dodaチャレンジ | 公式サイト | 全国 | ・障害のある方の転職実績No1 ・業界大手の求人数 ・大手・優良企業の正社員求人多数! ・障害の就職・転職エージェント実績20年以上 |
atGP | 公式サイト | 全国 | ・企業から直接スカウトされるスカウトサービス ・支援機関との連携など総合的サポートが可能 ・障害者転職のプロがマンツーマンでサポート ・精神障害の方の転職に強い! |
マイナビパートナーズ紹介 | 公式サイト | 首都圏・関西 | ・様々な障害に精通した専門カウンセラーが在籍 ・大手・優良企業求人が多い ・1973年創業の人材ビジネスTOPグループのサービス |
就職活動はエージェントと二人三脚で転職活動を進めるのが成功の秘訣です。
就職エージェントに登録すると、キャリアアドバイザーとの面談の依頼が届きます。
このキャリアアドバイザーとの面談を行わなければ、就職エージェントのサポートを受けることができないので、必ずキャリアアドバイザーと面談を行いましょう。
この面談で同席したキャリアアドバイザーが、あなたの担当者となり、あなたの就職活動を1からサポートしてくれます。
就職活動を初めて行うつもりで、就職活動のやり方・進め方に不安がある方は、こちらの記事を参照してください。
>>【障害者雇用】就職・転職活動のやり方・始め方を徹底解説!
STEP3:求人を自分で探したり、紹介を受ける
就職エージェントに登録し、担当のキャリアアドバイザーとの面談が終わったら、その場もしくは後日に求人紹介を受けられます。
ただし、条件によっては、紹介してもらえる求人が少ないことも全然あり得ます。
そのため、就職エージェントからの紹介を待つだけでなく、自分でも求人を探しましょう。
自分で求人を探す場合は、下記の方法があります。
- ハローワークを利用する
- 働きたい企業があるなら、その企業のHPや採用情報をインターネットで検索する
- 転職サイトで求人を探す
出会えた求人の数が多ければ多いほど選択肢も広がりますし、条件が良い求人に出会える確率が上がりますよ。
STEP3:気になる求人に応募する
紹介を受けた求人や自分で探した求人の中で、気になる求人があったら、応募していきましょう。
応募方法は、各求人票に記載されていますが、ほとんどの場合、履歴書と職務経歴書が応募書類となります。
履歴書と職務経歴書を作成したら、必ず1度は担当のキャリアアドバイザーなどの添削を受けましょう。
なぜなら、添削を受けることで書類選考の通過率は約3倍にグッとアップするからです。
就職エージェントからの紹介求人に応募する場合は、担当のキャリアアドバイザーに添削してもらえますが、そうでない場合は、私が運営するオンラインサロン「障害者のキャリアサロン」で添削を行っています。
STEP4:就職エージェントのサポートを受ける
応募する企業が決まったら、就職エージェントのサポートを本格的に受けていきましょう。
先ほども説明したように、応募書類の添削はもちろん、面接対策も行ってもらえます。
また、もし応募書類で選考に落ちてしまった場合、落ちた原因や理由を企業から担当のキャリアアドバイザーにフィードバックされています。
なぜ書類選考で落ちたのか、その理由を担当のキャリアアドバイザーから聞き、次に活かせるように、履歴書と職務経歴書の修正を行いましょう。
就職エージェントの賢い利用方法は、少し困ったら担当のキャリアアドバイザーにすぐ相談し、信頼関係を構築しつつ、サポートも受けていく方法がベストです。
STEP5:応募企業の選考を受ける
求人応募し、書類選考を通過したら、SPIの案内や、面接に呼ばれるので、
応募企業と日程調整を行い、選考を受けていきましょう。
就職エージェント経由の場合、日程調整は担当のキャリアアドバイザーがあなたに代わって行ってくれます。
面接対策をばっちり行い、自信を持って挑みましょう。
障害者雇用の面接で聞かれる王道の質問と回答例は、下記の記事にまとめてあります。
>>【障害者雇用】面接で質問されること14選!【回答例付き】これで面接対策もバッチリ!
STEP6:条件交渉・内定
ほぼ内定が決まると、条件交渉の場が設定されます。
この条件交渉は、お給料や入社日、配慮事項など入社する上で双方で合意・承諾する事項になります。
こちらも就職エージェント経由であれば、担当のキャリアアドバイザーがあなたに代わって交渉してくれます。
もちろんあなたの意思に反した条件交渉はされないので安心してください。
企業との条件交渉の前に、ヒアリングされることもあります。
障害者枠で有利に就職活動を進めるためにやるべきこと
障害者枠で有利に効率的に就職活動応進めるために、あなたがやるべきことは、下記の3つです。
それぞれ詳しく解説していきます。
まずは、就職エージェントの面談を通過することを目標にする
就職エージェントを利用するためには、就職エージェントにWEB登録した後に案内される面談を通過する必要があります。
就職活動を成功させるためには、就職のプロである就職エージェントの力を借りることが大事です。
そのため、「お断り」されないように、就職エージェントの面談でも、印象良く見せたり、就職や就労の意欲を見せるなど、最低限のマナーを大事にしましょう。
就職先の条件が厳しすぎてもお断りされることがあるので、就職エージェントに伝える条件は緩めにし、とりあえずたくさん求人を紹介してもらえるようにしておきましょう。
就職エージェントの面談が大事なのは理解できたかもしれませんが、具体的に就職エージェントの面談って何を聞かれるの?どんなことをするの?などの不安はありますよね。
就職エージェントとの面談については、こちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
>>【障害者向け】就職エージェントの面談を徹底解説!事前準備と面談の流れ
就職エージェントのサービスを使い倒す
就職エージェントの面談を通過でき、求人の紹介をされたら、就職エージェントのサービスも利用可能になります。
基本的に、就職エージェントから紹介された求人は、あなたの希望条件にマッチしている求人であることはもちろん、職場の雰囲気や仕事内容もマッチしている場合がほとんどです。
そのため、紹介された求人を見て、前向きに応募するか検討しましょう。
就職エージェント経由の応募であれば、応募書類(履歴書や職務経歴書)を添削してもらえたり、
面接対策で、面接時に質問されやすいことを教えてもらえる、模擬面接を実施してもらえるなど、サポートやサービスをたくさん受けることができます。
あなたが内定を貰うために、担当のキャリアアドバイザーもできる限りのサポートをしてくれるため、
内定をもらうためにサポートやサービスを使い倒す気持ちで就職エージェントを利用しましょう。
就職エージェントもあなたが採用されたら、成果報酬を貰えるので、就職意欲が高い人ほど一生懸命サポートしてくれます。
就職エージェントのサービスについては、こちらの記事に詳しくまとめています。
>>【障害者雇用】就職エージェントをおすすめする理由とは?メリット・デメリット・利用までの流れを徹底解説!
求人は幅広く探す
出会う求人の数は、あなたの就職活動の成功を左右するとても大事な要素です。
なぜなら、あなたの条件に合う求人が少なかったり、数に限りがあるからです。
1つの求人サービスを利用するのではなく、幅広く求人を探すことで、あなたの条件に合う求人が増えますし、応募できる求人も多くなり、最終的に採用・内定を貰える可能性が高くなります。
就職エージェントからの紹介を待つだけでなく、自分から求人を探しに行くなどし、求人の幅を広げましょう。
自分で求人を探すなら、下記の3つの方法がオススメです。
- ハローワークを利用する
- 働きたい企業があるなら、その企業のHPや採用情報をインターネットで検索する
- 転職サイトで求人を探す
障害者雇用枠は一般枠に比べ受かりやすいと言われますが、地方で転職を成功させるためには、打率を上げることも必要です。
障害者雇用枠で受かりやすい、採用されやすい人の特徴も合わせて確認しておきましょう。
>>障害者雇用枠は受かりやすい?採用されやすい人ってどんな人?一般雇用枠との違いも徹底解説
逆に、障害者枠の就職で不利なこと
ここまで、障害者枠の就職が有利という話をしてきましたが、
逆に、障害者枠で不利なことも把握しておきましょう。
それぞれ詳しく解説していきます。
お給料が少ない
平成30年の障害者白書によると、障害者雇用の平均月給は14万6千円。
非正規雇用が多い障害者雇用の平均年収は、200万円以下の人も少なくないです。
日本の平均年収は約27万7千円なので、障害者雇用の年収は、その半分以下になります。
障害の内容によっても月給は異なり、精神・発達障害は月給が低めです。
障害の区分別平均月給は以下の通りです。
区分 | 平均月収 |
日本人全体 | 約27万7千円 |
身体障害者 | 約21万5千円 |
知的障害者 | 約11万7千円 |
精神障害者 | 約12万5千円 |
発達霜害者 | 約12万7千円 |
障害の内容によってかなり月給が異なります。。。
この理由は、働き方や仕事の内容による影響が大きいんです。
残業を抜いて考えても、障害者で契約社員の場合、ボーナスの支給がない企業があったり、
ボーナスがあっても、基本給の違いから年収となると差が出ることもあるあるです。
障害者雇用の給料が低い理由は、下記の記事を参考にしてみてください。
希望の仕事ができない
障害者雇用枠での仕事は、「障害者の方でもできる仕事」です。
そのため、単純で簡単な業務が多いです。
具体的には、事務職や清掃、軽作業などが大多数を占めており、中には、エンジニアや企画職や営業職もありますがほんの一部です。
障害者雇用の場合、職種の幅が狭く、希望の職種に就くことが難しいです。
この理由は、企業の事業内容や職種により、合理的配慮が難しいことが原因です。
もちろん、入社後、仕事の幅を広げ、上司や会社から評価されるようになれば、希望の職種に就いたり、異動することもできますが、時間がかかりなかなか難しいのが現実です。
同僚との差を感じることも…
障害者枠の同僚とでは、仕事量や仕事内容にそれほど差が出ることはないと思いますが、
一般枠の社員と比べるとどうしても差が出てしまいます。
特に、障害者雇用の場合は、契約社員であることが多いですが、一般枠の場合は、正社員で働いているなど、雇用形態の差で待遇差を感じる人は多いです。
どうしても正社員の方が責任が重い仕事をしていたり、給料やボーナスも多くもらっていたりと、羨ましく思う部分は多いです。
キャリアアップが難しい
障害者枠は、キャリアアップも難しいです。
そもそも、障害者の方へのキャリアアップの道を用意できていない企業も多いです。
もちろん、障害者だからキャリアアップができない!という訳ではないですが、チャンスは圧倒的に少ないです。
なぜなら、障害者雇用枠の仕事の特徴的に、ルーチン作業が多く、仕事の幅を広げていくのは難しいからです。
もちろん、経験を積めば、リーダーやマネージャーになることはできますが、かなり狭き門です。
企業としては、キャリアアップよりも安定して長く勤めてもらうことを優先していることが多いので、キャリアアップは二の次になってしまっているのが現状です。
身体障害者が精神障害者よりも就職に有利と言われる理由
障害者の就職は有利な面が多いですが、障害者の種別に見ていくと、実は、その中でも有利・不利があります。
具体的に言うと、身体障害者の方が、精神障害者よりも就職に有利と言われています。
それぞれ詳しく解説していきます。
身体障害は一般社員との能力の差が小さい
障害の内容や重さにもよりますが、身体障害者の方は他の障害者の方に比べ、一般社員との能力差が小さいです。
特に、軽度の内部疾患や下肢障害の方の場合、デスクワークであれば、一般社員とほぼ変わらない業務をこなすことが可能です。
こなせる仕事の難易度も高いため、企業側は雇いやすく、お給料が高くなりやすいのです。
一般社員と能力の差がなく、難しい仕事も任せるのであれば、必然的にお給料も高くなるのは理解できますね。
障害の状況を把握しやすい
身体障害者は、障害内容が目で見てわかるものが多く、「障害によりどんな業務ができないのか」、「どんな配慮が必要なのか」といった状況を企業側が把握しやすいです。
具体例を挙げると、下記のようなことです。
- 下肢障害で杖がないと歩けないが、デスクワークであれば業務に支障ない
- 聴覚障害で筆談や手話が必要だが、聴覚を使わない業務に支障はない
- 内部障害で通院が必要だが、仕事自体は一般社員と同様にできる
異常のように、明確な配慮事項以外は普通に働ける人が多いので、身体障害の方は企業にとって雇いやすいのです。
障害内容によってどんな配慮が必要かわかりやすいので、扱いやすい、誰でも配慮しやすい、トラブルを起こしにくいと企業は判断しています。
もちろん、どんな仕事でも身体障害者の方が有利という訳ではありません。
身体を動かす仕事や単純作業をコツコツこなす仕事は、身体障害者には不向きです。
こういった職種は、知的障害者や発達障害者、精神障害者の方が有利です。
精神障害者に向いている仕事を知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
>>【精神障害者】向いている仕事とは?その特徴と職種を一挙紹介!
精神障害者はこれまで法定雇用率の対象でなかった
平成30年3月までは、精神障害者は、企業の障害者の法定人数にカウントされませんでした(障害者雇用促進法)。
そのため、今も「精神障害者は法定人数にカウントしない」と間違った解釈をしている企業も多いため、
「精神障害者は雇われない」といったイメージが付いています。
状況は良くなってきていますが、昔のイメージを強く持っている企業は多いので、精神障害は採用されにくいとなってしまっています…。
精神障害者手帳に期限がある
精神障害者の手帳は、2年ごとの更新制です。
更新時に医師の侵奪を受け、手帳を持つレベルの精神障害がないと判断されると、更新が行えません。
障害者手帳を失うと、企業は「障害者を雇っている」とカウントされず、助成金も受け取れなくなってしまいます。
更新時に障害者でなくなるリスクがあるため、精神障害者が採用されにくい原因になっています。
より詳しく身体障害者と精神障害者との就職の有利さ、不利さについて知りたい方は、こちらの記事を参照してください。
【障害別】有利に就職できる仕事とは?
身体障害者の方が精神障害者よりも就職に有利と言われますが、実際は、障害の特性や能力によっても変わってくるので、あくまでも目安として考えましょう。
細かい特性や能力にあった適職は、就職エージェントに相談するなどし、詳しく見極めていきましょう。
身体障害
身体障害の方に向いている仕事は下記の通りです。
基本的に、身体を使った仕事には不向きですが、上記の職種であれば障害に関係なく働けることが多いので、有利に採用される可能性が高いです。
知的障害
知的障害の方に向いている仕事は下記の通りです。
知的障害者の方は、対人関係が重要な仕事(接客や営業など)や覚えることが多い技術系の仕事は不向きです。
発達障害
発達障害の方に向いている仕事は下記の通りです。
障害特性によってことなりますが、接客や営業など臨機応変な対応が求められる仕事や、マルチタスク能力を求められる仕事は不向きです。
ただし、発達障害は、特性による適職の差が大きい障害なので、自分の特性や能力を見極め、適職を探しましょう。
精神障害
精神障害の方に向いている仕事は下記の通りです。
精神障害の方は、その日の体調によって作業効率が変わりやすいので、カバー体制が整った職場が向いています。
ストレスのかかる仕事や責任の重い仕事は精神障害の方には不向きです。
また、障害者雇用の求人で多い「単純作業」は精神障害の人にはストレスになる可能性も高いので要注意です。
精神障害も発達障害と同様で、特性による適職の差が大きい障害なので、自分の特性や能力を見極め、適職を探しましょう。
【まとめ】障害者の就職は有利ってホント?
障害者の就職が有利と言われる理由は、下記の通りでした。
障害者雇用枠で有利に効率的に就職活動を進めるなら、就職エージェントを味方に付けることが1番大事です。
就職エージェントごとに特色が異なるため、自分に合いそうな就職エージェントを利用したり、担当のキャリアアドバイザーとの相性でメインに利用する就職エージェントを決めるのも手です。
就職活動で悩み障害者の方も多いですが、ライバルを出し抜き、最速で就職活動を終わらせましょう。