障害者雇用で働く場合、お給料はどれくらい?
給料が低いと言われる理由は?
やっぱり気になるのは、お給料のことですよね。
障害者とはいえ、親や家族に頼ることができない、自立したい!といった気持ちを持っている方も多いです。
この記事では、障害者雇用だと給料が低い理由、対策を解説します。
本記事は、実兄に知的障害を持つアラサー会社員aamiが執筆しました。
大手メーカーにて障害者雇用の採用・教育に5年従事し、延べ100名以上の障害者の採用に携わった経験があります。
この経験から、障害者の採用や転職など、障害者雇用にまつわることを企業目線・プロ目線から役立つ情報を提供できればと思っています。
結論を言うと、障害者雇用の場合、誰でも簡単にできる仕事や単調でマニュアル化されている単純作業がメインです。
誰にでもできる仕事ばかりなので、お給料が一般雇用に比べ低いと感じてしまいがちです。
さらに、フルタイム勤務できない、勤続年数が短く昇給しにくいことも影響しています。
しかし、こういった仕事は、一般雇用でもお給料は低めに設定されており、職種や働き方に差が無ければ、障害者雇用も一般雇用もお給料面は大差ないです。
逆に言うと、一般雇用並みに働ける人が少ないというのが現状です。
かといって、お給料が少なくて生活できなければ、意味ありませんよね。
障害者雇用で働きつつ、収入を上げる方法は3つで、「転職する」「副業する」「スキルアップをする」です。
今の職場に満足しつつもお給料だけが不満なのであれば、「副業」「スキルアップ」を検討してみてくださいね。
障害者雇用の給料が低いのは、「平均」という言葉に騙されているから
よく「障害者雇用の給料が低い」と言われる理由として、障害者雇用の平均の給料データを元に説明されていることが多いです。
実際に、厚生労働省の平成 30 年度障害者雇用実態調査結果を見てみると、下記のようなデータがあります。
区分 | 平均月収 |
日本人全体 | 約27万7千円 |
身体障害者 | 約21万5千円 |
知的障害者 | 約11万7千円 |
精神障害者 | 約12万5千円 |
発達霜害者 | 約12万7千円 |
これを見ると、障害者の場合、お給料がかなり低いことがわかりますね。
しかし、これは、あくまでも「平均」の話です。
実は、この「平均」が世間やみなさんを勘違いさせています。
ここからは、この数字が参考にならない理由を解説していきます。
「平均値」は参考にならない理由
まずは、「平均値」とは何か理解しておきましょう。
「平均値」は、極端に数字が大きい、もしくは小さいに寄せられてしまうからです。
具体的に言うと、、、、
上記の場合だと、平均738万円になります。
ただし、Dさんの収入が多いため、その他の人は250~400万円とそこまで収入が多くないにも関わらず、「平均値」がグッと引きあがっていることがわかります。
続いて、反対に極端に収入が低い人が居た場合は、下記のようになります。
今後は、先ほどと反対に、「平均値」が収入が低いAさんが居ることにより、かなり少なくなっていることがわかります。
障害者雇用の場合、収入がかなり低い人に寄せられてしまっているため、「平均」で見ると、かなり収入が低いように見えてしまっているのです。
平均値よりも信頼できる数字は、「中央値」
「平均値」」はあまり参考にならないことは理解できたかと思いますが、
では、どの数字を参考にしたらいいの?という疑問が埋めれますよね。
年収などを参考にする場合は、「中央値」で算出されているデータは信頼性が高いです。
なぜなら、「中央値」は、データを小さい(または大きい)順に並べ、真ん中に来る値だからです。
言い換えると、「データの真ん中」です。
具体的に、例を挙げると下記のようになります。
「平均値」の場合、738万円になりますが、「中央値」になると、350万円になります。
このように、平均値と中央値ではかなり結果が異なります。
「平均値」を使われることが多いですが、あまり参考にし過ぎないことが大事です。
障害者雇用の給料の決め方
障害者の平均年収や平均給料があまり参考にならないことは理解できたと思いますが、
実際に、障害者雇用の給料はどのように決められているのかについても、理解しておきましょう。
これを理解することで、本当に一般雇用枠に比べ障害者雇用枠は給料が低く設定されているのか、ということを理解できますよ。
障害者雇用の給与設定の考え方
基本的に、障害者雇用の給料は、一般枠での給与形態と同じ考え方で決められています。
言い換えると、企業の賃金体系をもとに、労働条件と業務に合わせて決定されます。
具体的には、下記のポイントを考慮され、障害者雇用の給与が決定されています。
それぞれ詳しく解説していきます。
雇用形態
まずは、雇用形態です。
雇用形態は、正社員、嘱託、契約社員、パートタイム、アルバイトなどです。
この雇用形態で、給与の考え方が大きく変わります。
例えば、正社員の場合は、ボーナスや昇給があるにも関わらず、それ以外の雇用形態の場合は、ないなど、雇用形態によって、給与体系がさまざまです。
労働条件
続いて、労働条件です。
労働時間や業務内容、勤務場所などの労働条件です、
ここに、社会保険の加入や企業年金・退職金なども含まれます。
労働条件によっても、もらえる給与が変わってきます。
労働時間が短かったり、業務内容がスキル不要で誰でもできる仕事の場合、給与は必然的に低くなります。
最低賃金
最後は、最低賃金も考慮されます。
地域によって最低賃金が設定されていますが、障害者雇用でも最低賃金以上の給与を支払う必要があります。
そのため、最低賃金も考慮し給与が決められます。
もちろん、最低賃金以下の場合は、違法になります。
「障害者雇用は給料が低い」と言われる原因
ここまで、「平均値」という言葉に騙されているだけで、障害者雇用だからといって、一般雇用枠に比べ給料が低く設定されているわけではないことを解説してきました。
しかし、それでも障害者雇用の給料が低いと感じている方は多いです。
障害者雇用の給料が低いと言われる原因は、下記のようにたくさんあります。
それぞれ詳しく解説していきます。
契約社員やパートなど非正規社員
給料が低いと感じている方は、非正規社員で働いている方がほとんどです。
厚生労働省の平成 30 年度障害者雇用実態調査結果を見てみると、下記の通りです。
雇用形態 | 割合 |
無期契約の正社員 | 49.3% |
有期契約の正社員 | 3.2% |
無期契約の正社員以外 | 19.9% |
有期契約の正社員以外 | 27.2% |
以上からわかる通り、障害者雇用で働く人の半数は、非正規社員です。
また、障害者雇用関係なく、正社員と非正規社員での給与差比較すると下記の通りになります。
雇用形態 | 平均賃金(月) |
正社員 | 32万3400円 |
非正規社員 | 21万6700円 |
上記を見てわかる通り、障害者雇用に関係なく、正社員よりも非正規社員の方が賃金が毎月10万円以上高くなっていることがわかります。
障害者雇用だから、給与が低いのではなく、雇用形態も関係していることがわかりますね。
フルタイムではなく、労働時間が短い
続いて、障害者雇用で働く方の中にはフルタイムで働いている人も多いですが、労働時間が短い方も一定数居ます。
厚生労働省の平成 30 年度障害者雇用実態調査結果によると、障害者雇用で働く方の所定労働時間は下記の通りです。
労働時間 | 割合 |
フルタイム (週30時間以上) | 79.8% |
フルタイム以外 (週20~30時間) | 16.4% |
フルタイム以外 (週20時間以内) | 3.4% |
無回答 | 0.4% |
ここからわかる通り、フルタイムで働いている方が多いものの、全体の20%程度は、フルタイムで働けていない、フルタイムで働いていない方になります。
非正規社員で時給制だと、どうしても労働時間が少ないと給与も少なくなってしまいます。
働く時間が短いと、その分給与が少なくなるのは、理解できますよね。
スキル不要な簡単で単純な仕事が多い
企業は、障害者の方でもできそうな業務を切り出し、障害者の方に任せています。
そのため、障害者雇用の仕事は、簡単で単純な仕事であることが多いです。
実際、障害者雇用の職種は、下記のようなものになります。
ほとんどが事務や軽作業となっています。
事務職や軽作業は、ルーチン業務で、作業を覚えてしまえば誰でもできることから、障害者雇用の業務になることが多いです。
しかし、これらの業務は障害者雇用に関わらず、給与が安めです。。。
障害者雇用ではなく、一般雇用でこれらの職種の時給を調べてみると、下記の通りでした。
職種 | 時給 |
事務 | 894~1,050円 |
軽作業 | 900~1,100円 |
障害者雇用でなくても、賃金が低いことがわかります。
このことから、「障害者雇用だから」ではなく、賃金が低めの職種が多いということが障害者雇用の給料が低い原因であることがわかります。
誰にでもできる仕事はどうしても給料が低くなってしまうのは、一般雇用でも同じです。。。
同じ会社に勤めている期間が短い
同じ会社に長く勤めていると、定期昇給があります。
これは、会社によりますが、非正規社員でも昇給がある会社もあります。
昇給がある場合、その会社に長く勤めれば勤めるほど、給料が上がっていきます。
しかし、同じ会社で長く勤められずに辞めてしまう方も一定数居ます。
なぜなら、障害者雇用は、一般雇用枠に比べ、離職率が高いからです。
具体的には、一般雇用の場合、3年で2~3割の人が辞めると言われていますが、障害者雇用の場合、1年で3~4割の人が辞めてしまいます。
職を転々としてしまう方も多いので、給料が上がらない、給料が低いままとなってしまう方も多いです。
まずは、長く働くことを目標に働きたいですね。
「できる人」は障害者雇用で働かない
障害を持っている人の中でも、年収500万円以上稼ぐ人は一定数居ます。
もちろん、中には、年収800万円や年収1,000万円以上稼ぐ強者も存在しています。
しかし、こういった人たちには下記の共通点があります。
上記のような人は、障害者雇用を利用しなくても、高収入・好条件の職場を見つけることができます。
こういった方は、選べる企業や職種の幅が狭まる、キャリアアップや昇進しづらいリスクが障害者雇用にはあるので、一般雇用枠で就職しています。
一般雇用枠に紛れて働く障害者の方も実は多いです。
ただし、障害者の方が一般雇用枠で働くデメリットもあるので注意が必要です。
障害者雇用か一般雇用かで迷っている方は、こちらの記事を参照してください。
>>障害を隠して就職した人の70%が1年以内に辞める現実。クローズ就労は、おすすめしません。
障害者雇用の給料が低いのは、ウソ!?障害者雇用における平均給料
障害種別に1週間の労働時間ごとの障害者雇用の平均給料を解説していきます。
全体として言えることは、フルタイム以外(週30時間未満の労働)が、平均給料を押し下げていることです。
それでは、障害種別に解説していきます。
【労働時間別給料】身体障害者
身体障害者の労働時間別給料は下記の通りです。
フルタイム(週5日、6時間以上の勤務)の場合、健常者とほぼ変わらない給料を貰えていることです。
また、障害種別の中でも全体の給料は高めなことがわかります。
これは、身体障害を持ちつつも能力は健常者と同様な場合が多いからです。
こういったデータから、障害者雇用は、身体障害の方が有利なように感じている方も多いと思います。
そういった方は、こちらの記事も参照してくださいね。
【労働時間別給料】知的障害者
知的障害者の労働時間別給料は下記の通りです。
身体障害に比べると平均月収は、下がっていることがわかります。
この傾向は、知的障害だけではなく、発達障害・精神障害も同じです。
この数字を見てしまうと、「平均値だから…」とわかっていつつも、障害者雇用は給料が低いと感じてしまいますね。
【労働時間別給料】発達障害者
発達障害者の労働時間別給料は下記の通りです。
発達障害・知的障害・精神障害は正直、平均月収はドングリの背比べです。
こういった障害を持っている方は、身体障害よりも非正規比率が高かったり、フルタイム勤務ができていない方が多く、平均を押し下げています。
【労働時間別給料】精神障害者
精神障害者の労働時間別給料は下記の通りです。
精神障害は、知的障害・発達障害に比べると、フルタイムで働けた場合の平均年収が高くなっています。
症状や体調が安定していると、健常者と同様に働けることができることから、こういった数値になっています。
【参考】一般枠(健常者)の平均年収
ここまで、障害種別に平均月収を解説してきましたが、参考として、一般雇用枠の平均月収についても把握してきましょう。
国税庁が行った、平成29年分民間給与統計調査結果では、一般雇用枠で働く人(健常者を含む)の平均年収は432万円です。
内訳を見てみると下記の通りです。
性別 | 平均月収 |
男性 | 44万2500円(年収531万円) |
女性 | 23万9100円(年収287万円) |
雇用形態 | 平均賃金(月) |
正社員 | 40万3400円(年収484万円) |
非正規社員 | 21万6700円(年収260万円) |
非正規雇用数値が極端に低いのは、フルタイムではなくパートやアルバイトの人に数値も含まれているからです。
また、女性の平均値が低いのも、非正規雇用が多かったり、長く勤めて役職に就く人が少ないのが原因です。
障害を理由に給料を低く設定されているわけではない
ここまで、解説してきたように、「障害者だから」という理由で給料が低く設定されているわけではありません。
基本的には、会社の給与体系をもとに障害者雇用の給与も設定されているため、「障害者だから給料を低く設定する」ということはありません。
障害者雇用で給料が低くなってしまう原因は、「障害者だから」というよりも、働き方や業務内容に原因がありました。
上記に当てはまる人は、障害者雇用の有無に関わらず、一般雇用でも給料が低い傾向があります。
「障害者だから」と諦めてしまっている方も多いですが、社会や企業は差別にならないよう一般雇用枠との処遇の差を設けないよう努めています。
障害者雇用でも最低賃金はもらえる
日本では、地域により最低賃金が定められています。
これは、どんな職種や業務でも当てはまるもので、障害者雇用でも同様です。
「障害者雇用は給料が低い」と言われますが、会社が法令違反をしていない限り、最低賃金以下で働いている方は居ません。
そのため、最低限のお給料はもらえていることは間違いありません。
最低限のセーフティーネットがあるという意味では安心ですが、これで生活できるかどうかは、また別の話です。
最低賃金は守られているけれども、労働時間が短ければ必然的に給料は低くなりますからね…。
障害者雇用求人と一般求人を比較してみた
障害者雇用枠と一般雇用枠の給与の差や待遇の差があるかどうかって気になりますよね。
ここからは、実際に障害者雇用の求人と一般雇用枠の求人を比較していきます。
【雇用形態別】給料比較
まずは、雇用形態別に給料を比較していきます。
求人は、一般雇用枠、障害者雇用枠の職種は「事務職」、勤務地は「東京」で検索しました。
その結果、以下の通りでした。
雇用形態 | 一般雇用 | 障害者雇用 |
正社員 | 年収320~550万円 | 年収290~500万円 |
契約社員 | 年収300~400万円 | 年収280~330万円 |
パート・アルバイト | 時給920~1,100円 | 時給850~1,090円 |
以上からわかるとおり、多少一般雇用の方が年収が高めですが、かといって障害者雇用の方がとても低いというわけではないことがわかりますね。
障害者雇用の給与体系が一般雇用枠をベースにされていることがここからもおわかりいただけるのではないでしょうか。
【職種別】給料比較
続いて、障害者雇用枠と一般雇用枠の求人の給料を職種別にみてみましょう。
求人は、一般雇用枠、障害者雇用枠の職種は「事務職」「軽作業」「清掃」、勤務地は「東京」で検索しました。
その結果、以下の通りでした。
雇用形態 | 一般雇用 | 障害者雇用 |
事務職 | 時給920~1,100円 | 時給850~1,000円 |
軽作業 | 時給980~1,200円 | 時給900~1,100円 |
清掃 | 時給900~1,150円 | 時給850~1,090円 |
以上から見ても、一般雇用枠と障害者雇用枠の給与に大きな差が見られないことがわかりますね。
給与の差は、障害者への差別になる可能性があるため、不当に障害者雇用枠だからといって給料に差を出すことはないので、安心してくださいね。
障害者雇用で働きつつ、収入を上げる方法
ここまで、障害者雇用枠と一般雇用枠に給与の差はあまりないと解説してきましたが、
とはいえ、もう少し収入を上げたい、という方も多いのではないでしょうか。
ここでは、障害者雇用で働きつつ、収入を上げる方法を紹介していきます。
それぞれ解説していきます。
まずは、フルタイム勤務を目指す
今、フルタイムで働けていない方は、まずは、フルタイムで働けるようになりましょう。
フルタイムで働けるようになれば、長く働いた分給料がもらえます。
また、フルタイムで働けることにより、仕事の幅や職種も広げていくことができます。
体調や症状の問題、体力の問題などがあると思いますが、やっぱりフルタイムで働けたほうが良いです。
まずは、体調や症状の安定やフルタイムで働ける体力を付けるなどしてみてはいかがでしょうか。
非正規社員であれば、正社員を目指す
非正規社員であれば、正社員を目指すのも良いです。
先ほども説明したように、非正規社員よりも正社員の方が、給与が高いです。
これは、ボーナスがあったり、昇給があるなど、給与面で待遇が良いからです。
もちろん正社員になると、仕事への責任や業務量が多くなるなどデメリットもあります。
体調が安定しており、配慮を適切に受けられる会社であれば、正社員になったとしても、障害と向き合いながら働くことができます。
ただし、会社によっては非正規社員から正社員に登用する制度がない所もあります。
今働いている会社で正社員登用があるかどうか、事前に確認しましょう。
正社員になる方法は、下記の記事にまとめていますので、参考にしてください。
>>障害者雇用でも正社員になれる?正社員になれる2つの方法!
1つの会社で長く働く
昇給がある会社で働いているのであれば、1つの会社で長く働くのも手です。
長く働けば、働くほど、昇給で給料がアップします。
ただし、注意したいのが、昇給の幅は会社によりけりです。
昇給があると言いつつも、微々たるものであったり、10年間働かないと昇給されない会社などもあります。
昇給については、求人票に記載されていたり、人事に聞けばわかるので確認してみましょう。
長く働くだけで、給料アップが見込めるのは嬉しいですよね。
資格取得やスキルアップにより、職務手当を上げる
会社によっては、規定の資格を持っていると職務手当がもらえる場合があります。
その職務手当を狙って、資格取得に励むのも良いです。
給料アップのためだけでなく、業務に関係する資格であれば転職時に強くアピールできます。
また、難しい資格であれば、会社から「この人を手放したくない」と思われ、正社員登用の話が舞い込んでくる可能性も高いです。
資格取得やスキルアップなどの自己啓発は、あなたにとってプラスでしかないので、頑張ってみる価値はありますよ。
障害者雇用で働いている人におすすめの資格やスキルは、こちらの記事で解説しています。
>>障害者雇用でもスキルアップしたい!障害者におすすめのスキル4選
キャリアアップ転職をする
いっそのこと、転職してみるのもアリです。
ただ、いきなり転職、となると、やっぱり不安は大きいですよね。
そういった方は、「どんな求人があるのか」「自分にはどんな仕事があるのか」など、今の会社だけでなく違う会社にも目を向けてみることから始めるのがおすすめです。
「条件が良ければ転職する」という軽い気持ちで転職活動を始めるのも良いですし、「自分の市場価値を知る」という意味で転職活動をしてみるのもアリです。
気楽な気持ちで、求人を見てみたり、転職エージェントと面談してみると、視野が広がります。
転職活動の進め方・始め方はこちらの記事を参照してください。
>>【障害者雇用で働きたい】就職・転職活動のやり方・始め方を徹底解説!
平均給与が高い職種や業界に転職する
今の職種はそのままで給与が高い業界に転職する、今の業界で給与が高い違う職種に転職するのもアリです。
給与は、職種と業界である程度決まっています。
そのため、給料が低い業界で働いているだけで、同じ仕事でも給料が低くなる可能性が高いです。
給料が高い業界は、IT系やガス・電力会社などのインフラ、製造メーカーが一般的に給料が高いです。
また、給料が高い職種は、スキルが必要な職種や、資格を持っていないとできない独占業務、マネージャーやリーダーなどのマネジメント業務です。
給料が高い職種や業界に転職を希望するのであれば、まずは、障害者向けの転職エージェントに相談するのがおすすめです。
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それぞれ特色が異なっているので、自分に合った転職エージェントを選んでくださいね。
副業を行い、本業とは別の収入源を確保する
今の仕事や職場に満足している方は、「副業」も良いかもしれません。
今の仕事での給料アップではありませんが、収入を上げることはできます。
最近では、副業OKの会社も増えてきているので、これを機に副業に挑戦してみるのもアリです。
副業で学んだことが、本業に活かせるなどのメリットもありますが、
本業とは別に副業も行わなければならないため、体調を崩しやすくなったり、症状が悪化する可能性があるので注意が必要です。
副業にチャレンジしてみようかなと考えている方は、こちらの記事も参照してください。
>>【障害者でもOK】副業おすすめ7選!副業禁止の会社でもOKな副業も紹介!
障害者雇用は給料が低いと言われるのは、時代遅れ!?
「障害者雇用は給料が低い」と言われているのは、実は、時代遅れになりつつあります。
障害者の雇用を捻出するための障害者雇用促進法が定められたのは、1976年です。
障害者が企業で働くようになってから、半世紀も経っています。
そのため、企業にとっても障害者を雇用する考え方も変わってきています。
具体的には、下記の通りです。
- 障害者の方を戦力として見なしている
- 障害者雇用でもキャリアアップできる時代に
- 年収500万円以上稼ぐ人も多い
それぞれ詳しく解説していきます。
障害者の方を戦力として見なしている
障害者雇用が始まった当初は、障害者に任せる仕事や障害者への接し方、障害者への理解が不十分だったため、障害者の方に上手く仕事を任せたり、教育することが難しかったですが、
約半世紀たつと、企業側も障害者の方の扱いや対応などに慣れ、補助的な業務に留まらず、顧客接点のある業務など、顧客やエンドユーザーに近い仕事も増えてきています。
これは、企業が障害者の方の理解が深まり、障害者の方のキャリアの可能性を把握できてきたことが大きいです。
一般雇用枠や障害者雇用枠など枠に隔たりなく業務を行えるようになってきていることから、障害者雇用は補助的な業務からより利益を生み出せるような業務も任されるようになり、障害者雇用の業務の幅が広がってきています。
また、業務の中でも「この人(障害者雇用の方)が居ないと困る」「キーマンはこの人(障害者雇用の方)」など名指しで名前が挙がることも増えてきており、
企業としても、障害者雇用の枠を超えて、戦力として見なされるようになってきています。
当社でも、戦力になっている障害者雇用の方は、正社員に登用するなど会社が軒並み囲っていますね。
障害者雇用でもキャリアアップできる時代に
障害者雇用だから、キャリアアップは難しい、出世できない、管理職になんてなれない、と思われている方も多いかもしれませんが、そういったことも、過去のものになってきています。
これまで、企業は人材育成を兼ねて、一般雇用枠のキャリアプランや出世街道の整備を行ってきました。
一般雇用枠でのキャリアプランや人材育成制度がひと段落したため、障害者雇用でもキャリアアップを目指せる制度や体制を構築していっている会社は多いです。
教育の機会は、一般雇用枠と同様に与えられるようになりましたし、キャリア形成の機会も与えられるようになっています。
また、障害者雇用でありつつも、リーダーへの抜擢やマネジメント業務を任されることも多くなっています。
これまでとは異なり、障害者でも今後のキャリアを見据え、仕事に励める機会が格段に増えています。
障害者でも頑張ればキャリアアップを見込めるようになったのは、嬉しいですよね。
年収500万円以上稼ぐ人も多い
「障害者雇用は給料が低い」と言われますが、その理由は、フルタイムで働いていない、雇用形態が契約社員であるなどです。
しかし、中には障害者雇用で年収500万円以上稼ぐ人も少なくありません。
もちろん、年収500万円以上稼ぐ障害者雇用の方は、少数派ではありますが、高学歴だったり、スキルがある、高難易度な資格を保有している人は、障害者雇用の有無に関わらず、年収が高いです。
給料を上げたいのであれば、「手に職」「スキルを磨く」「資格を取る」など、自己啓発に励むのもアリです。
こういった努力を継続してできれば、職務手当を貰えるようになったり、転職で有利になるなど、あなたにとってプラスになることばかりです。
障害者でも障害を言い訳にせず、絶えず努力している方は多いです。
障害者雇用の給料に関するよくある質問
ここまで障害者雇用における給料事情について解説してきましたが、
ここでは、よくある質問に1問1答形式でお答えしていきます。
障害者年金と合計して最低限の暮らしができるように給料が設定されてる?
これは、ウソです。
障害者年金を考慮して、障害者雇用のお給料が設定されているわけではありません。
障害者雇用のお給料は、基本的に一般雇用枠をベースに、雇用形態、労働条件を考慮し、設定されています。
障害者雇用だからといって、最低賃金以下の給料設定は違法になりますので、障害者年金と合計して最低限の暮らしができるように給料が設定されているのは、ウソです。
障害者よりも健常者の給料が高い理由はなに?
障害者よりも健常者の方が給料が高い理由は、下記になります。
基本的に、同じ職種・同じ労働時間・同じ雇用形態であれば、障害者と健常者で給料の差はありません。
しかし、障害者雇用の場合、職種が事務など稼ぎにくい職種が多かったり、労働時間が短い、契約社員で働く人が多いことから、全体を見ると、障害者雇用の方が給料が低くなってしまっています。
障害者雇用で給料を上げたいのであれば、まずはフルタイムで働く、正社員で働けるよう体調管理や症状の安定が大事です。
障害者雇用はずっと給料が低いまま?
結論、会社により異なります。
昇給・昇進があれば、長く勤めていたら、自然と昇給していきますし、実績を積めば昇進もできます。
そのため、徐々に給料は上がっていくため、今の給料がずっと続くことはありません。
しかし、そもそも昇給・昇進がない会社や雇用形態で働いている場合は、今の給料がずっと続くと思って問題ありません。
また、昇給がある会社であっても、どれくらい給料がアップするかは、会社により異なります。
1年で月数千円アップする会社もあれば、ほとんど昇給しない会社もあります。
給料目的で一般雇用で就職・転職するのもアリ?
これは、アリです。
障害を隠して就職・転職したからといって罰せられることはほぼありません。
ただし、業務に重大な影響や懸念がある場合は、例外です。
それ以外にも、一般雇用で働く以上、健常者と同等に働くことが必要になるため、体力的にもメンタル的にもきつくなる可能性があります。
給料目的で一般雇用で働くのもアリですが、体調や症状次第です。
障害者の方が一般雇用で働くメリット・デメリットについて、こちらの記事で解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
>>障害を隠して就職した人の70%が1年以内に辞める現実。クローズ就労は、おすすめしません。
【まとめ】障害者雇用の給料が低いのは、ウソ!?
これまで、障害者雇用の給料が低い原因や対策を紹介してきましたが、
障害者雇用の給料が低いのではなく、職種や勤務時間、勤続年数による影響が大きいことがわかりました。
収入を上げるコツは、フルタイムで働けるようになること、正社員になること、高収入な職種に転職すること、副業をすることや、スキルアップを目指すことです。
時間はかかるかもしれませんが、コツコツ努力することで、徐々に収入は上がっていきますよ。